ヒカルの碁 感想
過去ログ


 『藤原佐為VS塔矢アキラ』

二ヶ月ぶりのヒカ碁です・・・。
嬉しいけれど、これで終わりだと思うと・・・(T_T)
ほった先生が連載終了後のインタビュー記事を読んだのですが、ほった先生の中ではもう完全に「終わった作品」なんだと感じましたよ・・・。
そんなわけで、私にとっても最後のヒカ碁感想です。(23巻総括もありますけどね)

読み切り二本立て1話目は・・・・・・ええと、正直に言っていいですか?
『ほった先生(&小畑先生)佐為を描きたかっただけですね!?』
と、思わず大声で言いたくなるような内容で。
この読み切りであかされた裏エピソードといえばアキラの強さと佐為の大人げのなさ(笑)だけじゃないのさ。

「逃げるなよ 今から打とう!」

思えばここからアキラの強引ブラックモードが発動したのです。ここでこんなに怒らせなければ温和なお坊ちゃまアキラが維持されたかもしれないのに。ヒカル、ナイス(笑)。こうして人はふとしたことからストーカーになるのですね(怖)

電車に乗り『黒番なら・・・白番の時は・・・』と一人でブツブツ・・・言ってたアキラは今思うとヤバかったか!とほった先生も反省された(失礼)のか、フツーに電車に乗れる子になっていて何よりです。
ここにきてまた「一人でブツブツ」アキラ再臨とかされたらどーしようかと思いました。

アキラ君がまともになった代わりに佐為が電車内一人百面相を披露しております。小畑先生にここを描いてもらいたかっただけですか?と思わずにはいられないほど愛らしい佐為。
でも、何気にひっかかる台詞が。

佐為(あーー あっちの子の元に蘇っていたらよかったのに)

・・・佐為、貴方、虎次郎にはまったく打たせてあげなかったこと、悪かったとはちっとも思ってませんね・・・?
そんな佐為の囲碁に対する子供っぽいワガママは可愛いですけど・・・自分の碁のために、相手のことをかえりみないところ、何気に怖いですよこのヒト。あの愛らしさに皆騙されてるんだ!(いいけど)

(このすがすがしい目をした将来有望な子供・・・
 しかし今 私にキバを剥いている
 紙一重の差でこの子のキバをひらりとかわし
 よしよしと頭をなでてやるのがよいか)

将来有望ですとも、ええ、あらゆる意味でね!

(私にとっては真剣勝負ではないけれど)

何〜!?さっきっから貴方、キバをひらりとかわすとか頭なでてあげるとかずいぶんと余裕ぶってますが、そんなことをアキラ君が黙って許すはずないでしょう!!・・・というわけで
噛み付かれました。

と書いたら最初に
髪疲れました
と変換されたので思いっきり私が、疲れました(脱力)
さすが私のパソコンです。変換もすっかり私仕様。
ってゆーか、アキラ君の髪、疲れてないから!完璧にキューティクルキープのオカッパですから!なんだ?ある意味このパソコン、私にキバを剥きやがったか?

さて、アキラに噛み付かれた佐為、最初の余裕はどこへやら。めっちゃめちゃ大人げなく最後には凶器の日本刀まで持ち出し(あの袂には他に何入れてるんだ?そんなもん隠してるからアゲハマを隠していたと疑われ(以下略))問答無用一刀両断。いやもうホント、容赦なし。
ただでさえ少ない読み切りのページ数、2ページも費やしてアキラの落ち込みぶりを描かれました・・・(涙)
外は雨が降っているのに、日の光が差しているかのような碁会所の一室。アキラの髪はどっから見ても完璧なオカッパですね!頭を垂れる姿も美や。

(この子は この先も私を追って来るのだろうか
 私を追って−−−
 どこまで成長してゆくのだろう)

ヒカルの碁は少年の成長の物語、とほった先生はおっしゃってましたが。
ヒカルだけでなくアキラの成長物語でもあったんですよね。
ストーカーしていた少年が、ストーカーされるようになるまでの物語。ではなく、少年二人がそれぞれ佐為を追いかけつつ、自分なりに成長していく話だったわけで。そういう意味では一番美しい終わりは第一部のラストだったと思うのですが、それでも続きを書いて欲しいと思ってしまうのはファンなら仕方ない、ですよね(T_T)

さて時は過ぎて現在の囲碁サロン。
アキラ君、北斗杯予選参観時の服装で登場です。
そ、そうか、門脇ルックだったか!!
と、うてなさんに気付かされつつ・・・でも私、あの服装好きです(^_^;)
なぜなら
襟元から覗く鎖骨が美しいから。
開襟シャツ万歳。(ま、鎖骨はなかったけどね)
いいんです、アキラ君はシャツinでも。
だっていきなりえなり○ずき君がヘソ出し腰履きとかで登場したらおかしいですから(一緒にするな)
先日描いたイラストでアキラにあのシャツ(もどき)を着せているのは私です(^_^;)

市河さん「北島さんに聞いたわ 北斗杯2勝ですってね」

意外です。市河さん、北島さんに聞くまで北斗杯チェックしてなかったのか。
テレビでもネットでも紹介されたのに。

市河さん「進藤君が2敗だったのはザンネンだけど」

アキラ「でもね市河さん
    進藤は北斗杯の終わった後 韓国の三将と
    プライベートで対局して勝ってるんだよ」

アキラは常にこうしてヒカルをフォローして言いまわっているのかと思うと・・・(笑)
たかが初段と言われた時同様に、ヒカルの評価が低いと許せない男アキラ。理由はどうあれアキヒカ万歳(腐)
そう、たとえフォローの内容が・・・一行で終わらされた秀英VSヒカルの結果だったとしても・・・・・・(涙)
ホントに、秀英が日本語を頑張って覚えたのは永夏の通訳するだけ、という結果に・・・。
不憫だ、不憫だよ秀英。
あの高永夏戦との後に、ヒカルと秀英がどんな気持ちで対局したのか、気になりますよ・・・っ!
アキラの口ぶりから、どうやらアキラもその場にいたような印象を受けますが、高永夏はいたのかな、とかいろいろ・・・読み切りの前半はむしろ佐為とアキラよりヒカルVS秀英が良かった。ヒカル、主役なのに読み切りでは脇役で(-_-;)

市河「アキラくんの3連覇を進藤くんに阻止されたらヤだわァ」

アキラ「進藤には負けません」

そして碁会所にやってきたヒカルを見つめるアキラの瞳。
佐為に「このすがすがしい目をした将来有望な子供・・・」と言われていた時と変わらないその目で、今はヒカルを見ているんだなあ、と小畑先生の絵を見て感慨深かったです。


というわけで読み切り2感想へ進みます。

2003.7.14


 『庄司君っ!岡君っ!』
うおお、ここに来てイキナリ○ャニーズジュニアの登場です。
こうして見ると、もうヒカルたちの年齢はJの世界ではアイドルデビューするか飯島君のように無理だと悟って芸能界碁界を去るかの瀬戸際かと思わずにはいられない、世の中いろいろと低年齢化現象、庄司君の5Tシャツが懐かしくも愛らしい。

5月の院生研修日。そこには頬を染めて
「塔矢アキラってホントすごいや!あこがれちゃうな!」
という少年の姿が。
前髪の分け目の位置もアキラと同じ、とくれば、今は外ハネのその髪型も、そのままストレートオカッパになる日も近い。
来る・・・!オカッパの時代が・・・!
受け継がれるのは囲碁だけじゃない。

そこに現れたのは・・・うわぁ、小っちゃい和谷だ!
真面目な岡くん、楽平な庄司君。この子達が次世代。未来は明るい。

ケンカする二人の仲裁に入る奈瀬嬢。
碁ギャルなどと言われていた彼女も、素敵な大人の女性になった・・・と言いたいところだが相変わらずで。何よりです。そして、ただ美形だというだけで出番のあるかのような小宮君。ええ、それで良いのです。

篠田先生、お久しぶりです。
篠田先生が言った伊角さんへのコメントは、伊角さんプロ試験合格後、週刊碁で無事使われたのでしょうか。古瀬村との異動ドタバタの中で、あの名言は闇へと消えてしまったのでしょうか。
そういえばとうとう明かされませんでしたね、天野さんの行方。
「人生遠回りは悪くない」
とおっしゃっていた篠田先生も
「まだ騒ぐのなら院生をやめたまえ!」
と性急になった世知辛い今日この頃。
子供の躾は年々大変になっているようで(-_-;)
そして篠田先生から配られた若獅子戦の対戦表を手に開いた口がふさがらない庄司君、岡君。
まさかここでの篠田先生の台詞、
「庄司君っ!岡君っ!」
が、栄えあるヒカ碁ラストのサブタイトルを飾ろうとは。
院生を育て上げて○年。篠田院生師範の人生、今浮かばれる。

さて、若獅子戦当日。

古瀬村「2回戦でもう塔矢君と進藤君があたるなんて−−−
    事実上の決勝戦ですよね?」

くわぁ、ここにまで登場か、古瀬村め。
さらには扉絵にまでまぎれている侮れないヤツ。

篠田「そんなことはないでしょう
   北斗杯に出ていない棋士にも強い子はいますよ
   伊角君とか」

篠田先生、伊角さんお気に入りですね?
最後まで読むとわかりますが・・・今回、伊角さんはおろか、和谷など名前すら出てきません(T_T)。いや、越智もですが。

いっそ、この篠田先生の台詞がなかったら、
(和谷と伊角さんがいない・・・。きっと、和谷は金になるバイトをしてお金をためて伊角さんと中国へ新婚旅行に行ってしまったんだな!)と夢見ることも可能だったのですが。

若獅子戦に伊角さんが出ていると言われてしまっては、ただ単に省かれただけということがあきらかになってしまうではないか(T_T)
若獅子戦は五段以下20歳まで出れるので、伊角さんは今年が最初で最後の若獅子戦なのですね。アキラとヒカル、勝者のどちらかと伊角さんの対局・・・これも見たかったなあ。(まあ、結果はアレですけど)

小宮くんに岡君、庄司君の説明をされるヒカル。

「何位だってバカにはしねェよ
 オレも16位ギリギリで若獅子戦に出たんだ」

ヒカルの、こういうところ好きです・・・!
囲碁も勉強も出来るアキラを「別にムカつきはしないけど(by6巻)」と言った時にも思いましたが、ヒカルは相手の強さに卑屈にもならないし、自分に負けた相手もバカにしないし、そういうところ、美点です。

「それでその年のプロ試験受かったもんな」

と、何気にすごいとこアピールしているけれどこの子の天然ボケさで嫌味にはなるわけもなく。

岡「こ・・・こっち指差して何を・・・?」

庄司「きっと小宮さんが言ってんだぜ
   オマエが進藤のことバカにしてたとかナントカ」

「進藤」
呼び捨てです。

庄司(塔矢!)

「塔矢」
呼び捨てです。

「小宮さん」との違いはあれですか、テレビで目にするアイドルを思わず呼び捨てにしてしまう心境と同じですか。

頬を染めて塔矢アキラ憧れちゃうvなんて言っていた岡君ですら「塔矢」呼ばわりです。

いや、そんな些細なことより・・・・・・・・・・

全身白スーツ
で登場したアキラ君から目をそらしてしまいました。
最後の最後にこんな罠が・・・・・・!!
庄司君の(塔矢!)という驚きも、おそらくはこのスーツの為かと。
長髪アキラもそうとうイヤでしたが、白スーツアキラなんて・・・コンチクショウ、油断したっ
このスーツの入手経路は

1.緒方先生のお下がり
2.永夏とペアルック
3.明子夫人の見立て
4.塔矢門下の伝統

のどれが真相なのでしょう。アキラ君がデパートの外商で直接オーダーしたスーツだったりしたら一体この先どうやって生きていけばよいのでしょうか。
いやまあ、でもとにかく・・・祝!オカッパ維持!!!
北斗杯数週間後という舞台、アキラ君の髪が突如伸びるわけもなく!良かった・・・これで公式長髪アキラは碁ジャス☆キャラクターズガイドだけになった・・・!あとはこれさえ抹殺すれば・・・・・・。でも、このキャラガイド、かなり構成がツボなので、2も出して欲しいなあ・・・。高永夏がどう解説されるのか、それが、それだけでも、見たい。
さて、あとは23巻と来年のカレンダーと、小畑先生画アキラはまだ残っているので油断は出来ませんが!とりあえず一安心ですよ・・・!
長髪アキラ断髪同盟に参加してくださった方々、共に祝いましょうね!!
そしてうてなさん、今回もとってもお世話になりました!!
オカッパこそが髪の一手!


若獅子戦の会場に来てアキラ、ヒカルにまっしぐら。
私だったらこんなカッコウの人にまっしぐらに向かってこられたら、目をそらして逃げますが、そこは永年の付き合いであるヒカル、フツーに迎えております。

ヒカル「・・・・・・アイツが今日のオマエの・・・」

人様を指差してはいけません。
アキラに見られてドッキリ庄司君!しかし。

庄司(ムシだ−−−っ)

違うよ庄司くん!今、貴方はアキラのオカッパの美しさを見せ付けられたんだよ!シャンプーのCMのごとく、無意味に髪をなびかせ顔を背けるアキラ君。
(どうだい?ボクの髪は?)と、もうプレッシャーをかけられていることにすら気付かないようじゃ、キミもまだまだだね。(かかってなきゃプレッシャーの意味ないが)

アキラ「進藤 芹澤先生から研究会に誘われたんだが行かないか?」

せ、芹澤先生ったら・・・・・・!
あんな宇宙人みたいな顔をしてアキラの対局を昔から要チェックしていただけではなく、今度はヒカルにまで手を出そうとは・・・!アキラを誘えばもれなくヒカルも付いてくる。一挙両得の大人技。さすがは他の星から来た宇宙人。ほんとに誘っているのは研究会なんでしょうね・・・!?(オイ)
アキラとヒカルには他の星に連れ込んだりされないように気をつけてもらわないと。だって、ホント、怖いンだよ芹澤先生の顔・・・(笑)
19巻第150局の扉絵のアキラの背景にさり気なく(?)まぎれている彼を見てくださいよ。こんな頃から虎視眈々と狙っているのですから(何をだ)

というアキラのプレッシャーを受け、承諾のヒカル。
これでますます二人一緒の時間が増えるね、と喜んでしまうあたり私もとことん腐っているというか。

院生との対局終了。
後にはプロになりたいという思いを強くした少年二人。
ほった先生はこうやってつながっていくものがある、という話を書きたかったのでしょう。というわけで。

最後はヒカルVSアキラの対局開始、というところで終わりです。
ヒカルの一手目は右上スミ小目かな。

内容的にはホント、番外編、という感じでしたが、また新しいヒカ碁が読めて良かったです。

「中・韓の囲碁レベルは、日本をしのいでいます。向う(韓国)に行って、若いプロ棋士の自宅も訪問しましたが、かなりの古い棋譜を勉強したと思われる書物が本棚にぎっしり詰まっていました。もっとも、パソコンを使っての研究も欠かさない。囲碁人口も日本より多いという現実をかいまみて「ヒカルの碁」では、主人公のヒカルを日韓戦で勝たすわけにいかなくなった。」(せとうちタイムズより抜粋)

ほった先生はインタビューでこう話されてますが、4/29に行われたCSK杯アジア囲碁対抗戦(日本、中国、韓国、台湾 1チーム4人の団体戦)で日本3-0で優勝したんですよね・・・!
23歳で本因坊という人も誕生しましたし、囲碁界もどんどん変わっていきます。
新昇段制度により本因坊はリーグ入りすれば7段昇段です。いきなり7段になったアキラ君とか、もう本当に言ってしまえばキリがないほど、まだまだヒカ碁で読みたい話はたくさんあるのですが・・・番外編を読んで、もうほった先生が描かれる新しいヒカルたちのエピソードには出会えないんだなあ、としみじみ思ってしまいました。

終わりに対していろいろ思うところは多いですけど、それでもやっぱり、ヒカルの碁という作品、好きです、私。


最終23巻は9/4発売。私の誕生日前日。誕生日を嬉しく過ごせる良きプレゼントとして・・・小畑先生!「秘密の組み合わせ」は是非、是非、是非アキヒカで!!アキラとヒカルの二人でお願いします!!!
「ありそうでなかった」
なかった、ということはヒカル&佐為のカバーはもうあるから・・・でも主人公のヒカルははずさないよね・・・!やっぱり最後だしアキラとだよね・・・!と夢を見てもよろしいでしょうか。
絶対アキラだ!と思っていたら冴木さんだった某カラーポスターの二の舞はちょっと・・・。
でもわざわざ「秘密の」って書いてあるのが気になる。
何?白スーツコンビとか?
最後は本因坊だよね!とかいって佐為と桑原とか(嫌)
最終巻にふさわしい表紙、お待ちしております・・・!!

ほった先生のオマケページも気になる。どちらかというと小畑先生の描きおろし漫画とかが読みたいけど。

というわけで、次回、ヒカ碁感想は23巻総括で。
毎回毎回私のムダに長い感想を読みに来てくださっていた方々、本当にどうもありがとうございました・・・!

2003.7.14
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